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zoom RSS すべての類人猿は「笑う」

<<   作成日時 : 2009/06/11 01:33   >>

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チンパンジーの笑いのビデオを先日ご紹介しましたが、類人猿の笑いについての新しい研究が最近発表されたようです。「すべての類人猿は笑う」というタイトルでニュースにもなっています。

くすぐられるとオランウータンやチンパンジーといった類人猿も笑い声をあげるということはダーウィンも記述していますし(『人及び動物の表情について』)、その後も僕自身のもの含め(松阪@笑いの起源と進化)、この見方を支持する研究がいくつか発表されています。今回発表された論文は、笑い声の音響分析によって、ヒトの笑い声と類人猿の笑い声が進化的に同一のもの(相同)であることをさらに強く示す結果が得られたという内容です。
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研究をおこなったのはポーツマス大学のマリナ・ダヴィラ・ロス(Marina Davila Ross)のチーム。オランウータン、ゴリラ、ボノボ、チンパンジー、ヒトの乳幼児をくすぐって笑い声を録音し、音声解析をして比較をおこなっています。その結果、系統関係の近い種ほど音響構造が類似する傾向があることがわかり、さらに、類人猿・ヒトの進化の過程で「いつ」「どのような」音響変化が笑い声に生じたかが明らかになりました。

これまでの研究ではヒトとチンパンジーの笑い声は音響的にはかなり異なっていると言われていました。ヒトが一息の呼気を分断して笑うのに対して、チンパンジーは呼気と吸気を交互に繰り返して笑うという違いが強調されてきました。しかし、類人猿にも呼気の分断による笑いが起こっているということが今回の研究で明らかになりました。ロバート・プロヴァインというアメリカの研究者は、「呼気の分断による笑い」は直立二足歩行によって呼吸のコントロールが可能になった人類だけの特徴であり、言語の進化にもつながる重要な特徴だと主張しているのですが、これは正しくないということになります。

類人猿の笑い@映像と音声
くすぐりと笑い声のビデオ+ダヴィラ・ロスのインタビュー+ゴリラ、ボノボ、チンパンジー、オランウータン、ヒトの笑い声の音声ファイル

元の論文
Marina Davila Ross, Michael J Owren, Elke Zimmermann 2009 Reconstructing evolution of laughter in great apes and humans. Current Biology 19(13):1-6.

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